2025年11月14日公開の映画『君の顔では泣けない』で主演を務めるのは、実力派女優・芳根京子さん。
NHK朝ドラ『べっぴんさん』でお茶の間の人気を得てから、数々の話題作に出演してきた彼女ですが、今回の作品では“15年間、他人の人生を生きる”という難役に挑みます。
中学時代にギラン・バレー症候群を克服した経験を持つ芳根京子さん。
その過去が、彼女の演技にどんな深みを与えているのか。
この記事では、映画の見どころと共に、芳根京子さんの“人生を演じる力”の源を探ります。
難病を乗り越えた少女時代が、女優・芳根京子をつくった
「命の重さを知った」――。
芳根京子さんが中学2年生の時に患ったのが、ギラン・バレー症候群。
突然手足に力が入らなくなり、歩くことも困難になるこの病気との闘いは、彼女の人生を大きく変えました。
約1年間の治療を経て完治したものの、その経験は「普通に笑えること、立てることがどれほど幸せか」を痛感するきっかけとなったと語っています。
デイリー : 難病乗り越え朝ドラヒロイン 芳根京子
この経験を経て、彼女の“生き方”に芯が通りました。
人に優しく、自分にも厳しく。
何事にも全力で向き合う姿勢は、まさに「生きる力」を体現しているといえるでしょう。
芸能界デビュー後も、初期はマネージャーと衝突するほど悩み多き日々。
Numero TOKYO : 芳根京子インタビュー「コンプレックスもそのまま受け止めたい」
しかし、「辞めても損も得もない」という言葉をきっかけに一念発起し、本気で女優業に取り組み始めます。
朝ドラ『べっぴんさん』でヒロインに抜擢されたのも、そんな誠実で真っ直ぐな姿勢が評価されたからこそ。
芳根京子さんは“演じることの意味”を、人生そのものを通して掴んでいった女優です。
苦しみを知った人の笑顔には、説得力があります。
彼女の演技には、まさにその“生きたリアル”が宿っているのです。
映画『君の顔では泣けない』で見せる“30歳の素顔”と演技の深み
あまりにも可愛すぎる芳根京子ちゃんᐡ⸝⸝> ̫ <⸝⸝ᐡ💕きみかお公開まであと1ヶ月🎶💌 pic.twitter.com/p7St3kYkwf
— 梨 (@k0228y_) October 14, 2025
坂下雄一郎監督の映画『君の顔では泣けない』は、入れ替わりというファンタジー要素を持ちながらも、人生をどう生きるかを問いかける深い作品です。
芳根京子さんが演じるのは、30歳になっても“他人の人生”を生き続けている女性・坂平陸。
相手役はKing & Princeの髙橋海人さんが務め、二人が演じる15年越しの絆は、静かな感動を呼びます。
MOVIE WAKER PRESS : 芳根京子&高橋海人共演『君の顔では泣けない』物語のキーポイントを捉えた新場面写真
芳根京子さんの演技には、**“感情を押し殺す中にある温度”**があります。
泣くシーンでも、ただ涙を流すのではなく、「泣けないことに苦しむ心の揺れ」を細やかに表現。
まさにタイトル通り、“君の顔では泣けない”というテーマを体現しています。
SCREEN ONLINE : 原作者&プロデューサーも絶賛!『君の顔では泣けない』“入れ替わり”による複雑な感情の機微を表現しきった芳根京子&髙橋海人の場面写真解禁
30歳を迎えた彼女は、「今が一番楽しい」と語ります。
デビューから10年以上経ち、経験とともに心の余白が生まれたのでしょう。
表情の一つひとつ、言葉のトーンのすべてに**“生きてきた時間の厚み”**を感じさせるのが、今の芳根京子さんの魅力です。
この作品では、彼女が培ってきた人生観と演技力が、まさに重なり合っています。
現実とフィクションの境界線を曖昧にするほど、彼女の芝居は自然で、人間的。
「人生を演じる」ことの本質を、静かに教えてくれる一本です。
百田夏菜子との絆、そして“支え合う力”が生んだ人間味
女優としての成功を支えているのは、仕事仲間だけではありません。
ももいろクローバーZの百田夏菜子さんとの友情は、芳根京子さんの人生に欠かせない支えです。
二人は2015年の映画『幕が上がる』で出会い、以来10日に1回は会うほどの親友関係。
韓国旅行や沖縄の離島旅にも一緒に出かける仲で、「京ちゃんみたいに頑張ってる人のために作った曲」を百田夏菜子さんが聴かせたという心温まるエピソードもあります。
modelpress : 芳根京子、“10日に1回会う”親友明かす「奇跡じゃないですか?」
この絆が、芳根京子さんの“優しさの根源”になっています。
彼女は現場でも、共演者やスタッフに対して常に明るく挨拶し、手作りのお菓子を差し入れるなど、人とのつながりを何より大切にしています。
そんな姿勢が、彼女の演技にも表れています。
人の心に寄り添うような芝居――それは“支え合う”という生き方そのもの。
また、家族との関係も非常に良好で、母の作る弁当が舞台公演中の「心の支え」になっていたと明かしています。
おしゃれ手帖web : 【芳根京子さんインタビュー 】「公演中は“母のお弁当”が心の支えに」
**「家族や仲間がいるから、私は頑張れる」**という彼女の言葉は、どんな名言よりも重い。
華やかな芸能界の中で、足元を見失わず、人の温もりを大切にして生きる――そんな“人間らしさ”が、芳根京子さんという女優の最大の魅力です。
🌿まとめ
中学での難病克服から始まり、数々の試練を経て、今なお成長を続ける芳根京子さん。
映画『君の顔では泣けない』は、そんな彼女の人生と演技が美しく重なる作品です。
**「人生を演じる力」**とは、経験した痛みや喜びを糧にして、人の心を照らす力。
彼女の歩みそのものが、その言葉の証です。
これからも芳根京子さんは、“泣けない顔”の奥に秘めた強さで、観る者の心を静かに揺さぶり続けるでしょう。