M-1グランプリ2025で“3年ぶり2度目”の決勝進出を果たしたヨネダ2000。
唯一の女性ファイナリストとして注目されるだけでなく、その独特すぎる世界観が「今、一番クセになる漫才」と話題を呼んでいます。
ボケの誠さん(155cm / 47kg)が生み出す想像の斜め上をいく発想と、ツッコミの愛さん(168cm / 116kg)がそれをまるっと包み込みながら調理していくスタイルは、まさに“唯一無二”。
若手がひしめくお笑い界で、なぜここまでファンが急増しているのか?
今回は、コンビの原点、ネタの作り方、そして二人の関係性まで、ヨネダ2000が“今”支持される理由を徹底的に深掘りします。
■愛と誠が作り出す「世界観の中毒性」──なぜこんなに刺さるのか
ヨネダ2000の人気を語る上で欠かせないのが、**「何をしているかわからないのに笑ってしまう」**という、中毒性の高い世界観です。
代表ネタ「餅つき」を筆頭に、誠さんの発想はとにかく自由。
むーたん愛さんいわく「誠のアイデアは脳を通過していない」と言われるほど、予測不能なボケが次々と飛び出します。
さらにそのボケは、単なる奇抜さではなく、リズムや音の気持ちよさをしっかりと計算した“音楽的な漫才”として成立しているのが特徴です。
また、愛さんのツッコミもヨネダ2000を唯一無二の存在にする大きな要素。



誠さんの無軌道なボケをただ止めるのではなく、**「受け止める・泳がせる・巻き込む」**という高度なツッコミ技術が彼女にはあります。
本来なら崩壊しかねないネタを、愛さんが“巨大な受け皿”としてまとめ上げているため、観客は「この2人にしか作れない世界」に安心して身を委ねることができるのです。
さらに、ヨネダ2000のネタには音楽・リズム要素が強く、TikTokやYouTubeショートとの相性も抜群。
「餅つき」の高速BPM160はSNSでバズりやすく、若年層のファンを一気に増やしました。
世界観の強さ×SNS映えという現代的な武器を自然に持っていることも、支持拡大の大きな理由と言えるでしょう。
■“それ以外”からの復活劇──苦難を越えたからこその強さ
🏆M-1グランプリ2022🏆
— M-1グランプリ (@M1GRANDPRIX) December 18, 2022
🎙️ネタ順8番目は…
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エントリーNo.1794
ヨネダ2000
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現在の活躍からは想像がつかないかもしれませんが、ヨネダ2000は結成当初、“売れなさすぎて解散を考えたコンビ”でもあります。
2021年、吉本興業の芸人を劇場メンバーとそれ以外に分けるライブで、2人はまさかの**「それ以外」**に落選。



劇場に立てない日々が続き、一時はお互いに芸人を続ける意味を見失いかけていました。
ロガール : 謎の自信が共有できたときから、ヨネダ2000の快進撃は始まった|お笑い芸人インタビュー<First Stage>#22(後編)
そんな時、先輩芸人たち──プリズンクイズチャンネル・竜大、マリーマリー・海老原、やままん・木村一樹──が2人を励まし、再起のきっかけを作ります。
そして6月のライブでの勝利をつかみ、見事劇場に復帰。



この苦しい経験は、2人のメンタルを大きく強化することになりました。
さらに、誠さんの改名エピソードも転機のひとつです。
『ダウンタウンDX』で松本人志さんから提案された「誠」という名前は、“愛”と並ぶことで印象的なワードになるだけでなく、コンビの雰囲気そのものを象徴するような組み合わせに。
親しみやすさとポップさを増し、テレビでの扱われ方も一段階上がりました。
お笑いナタリー : ヨネダ2000の清水亜真音が「誠」に改名、名付け親は松本人志
そうした背景を経て、ヨネダ2000は**「ただのおもしろいコンビ」から「物語のあるコンビ」**へと変化。
ファンが応援したくなる理由、共感ポイントが増えたことで、人気は右肩上がりに。
苦難を経たからこその底力と“人間味”は、他の若手にはない大きな魅力となっています。
■愛と誠の関係性が強すぎる──唯一無二のネタが生まれる理由
ヨネダ2000のネタ作りを深掘りすると、2人の関係性が“漫才の完成度”を大きく左右していることが分かります。
表向きは、誠さんが一方的に話しかけ、愛さんが基本的にスルーするような関係。
しかしネタになるとそれが完全に反転します。
誠さんは自由奔放にアイデアを出し、愛さんがその可能性をすべて受け止める。
いわば「誠が世界を作り、愛さんがその世界の地軸を整える」役割分担ができているのです。



特に印象的なのは、**“愛さんが笑わないネタはやらない”**というコンビの絶対ルール。



これは誠さんが「愛さんが笑うもの=お客さんも笑うもの」と信じているからこそ成り立つ関係で、深い信頼がなければ絶対に成立しません。
実際、愛さんの笑いのツボはとても独特で、そこに刺さるネタは自然とヨネダ2000らしい奇想天外な作品になります。
また、コンビとしての友情バランスも興味深く、誠さんは「私は愛さんのことがめちゃくちゃ好き」と公言する一方、愛さんは「誠じゃなくても気の合う友達はいる」とあっさり系。
なのに漫才では強固な絆で結ばれているように見える。
Hanako : お笑い芸人・ヨネダ2000にインタビュー。HANAKO PEOPLE story#12
この距離感の妙が、唯一無二の漫才を生み出す原動力となっています。



さらに愛さんは動物系の資格を6つ持つ“動物の専門家”。



一方の誠さんは理容師免許を持ち、父親が経営する理容室での経験も豊富。
この“専門スキルの違い”が、ネタの小ネタやキャラクターづくりに意外と影響しており、細部の説得力や個性として生きています。
異色のバックグラウンドを持つ2人だからこそ、他の誰にも作れない漫才が完成するのです。
■ まとめ
ヨネダ2000が“今”支持される理由は、奇抜さだけではありません。
「中毒性のある世界観」、
「苦難を乗り越えたストーリー」、
「愛さんと誠さんの圧倒的な相性の良さ」──。
この3つがそろった時、初めて“唯一無二の漫才”が生まれます。
2025年のM-1決勝では、さらに進化したリズムネタや新たな世界観が披露されるはず。
女性唯一のファイナリストとして、そして時代の空気とフィットする独創的コンビとして、ヨネダ2000がどんな爪痕を残すのか。
12月21日の舞台で、2人の真価が問われます。
今、最も目が離せないコンビ、それがヨネダ2000です!
M-1グランプリ2025 決勝進出コンビ!

























