山西利和選手は、京都大学出身という異色の経歴を持つ日本のトップ競歩選手です。
2025年2月、日本選手権20km競歩で1時間16分10秒の世界記録を樹立し、見事に東京世界陸上代表へ内定。
パリ五輪での挫折を乗り越え、再び輝きを取り戻しました。
頭脳派アスリートとして知られる山西利和選手が、どのように世界の頂点へ駆け上がってきたのか。
そして自国開催の東京2025世界陸上で挑む新たな戦いとは?注目ポイントをわかりやすくご紹介します!
京都大学から世界王者へ!山西利和の異色キャリア
競歩選手といえば、強豪校で徹底した指導を受けて成長していくのが一般的。
しかし山西利和選手のキャリアは一味違います。
京都市立堀川高校から京都大学工学部物理工学科に進学し、学問と陸上を両立させてきました。
大学時代には専門の指導者がいない環境の中で自ら練習を工夫し、2017年のユニバーシアードで金メダルを獲得。
まさに頭脳と努力で勝ち取った成果でした。
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2018年に愛知製鋼に入社後は国際舞台で頭角を現し、2019年ドーハ世界陸上男子20km競歩で金メダル(日本人初)を獲得。
その後も東京五輪で銅メダル、オレゴン世界陸上で2連覇と快進撃を続けています。
異色の学歴と国際的な実績を両立させた姿は、多くのファンから「競歩界のインテリ王者」と呼ばれる理由になっています。
山西利和選手は「強豪校に行けば良かったと思ったことはない」と語り、自分の選んだ道を信じてきました。
京都大学広報誌 : ドラマティックなことなんてない。でも、意味は確かにあったのだ
京都大学という環境で磨かれた知的なアプローチが、世界で戦う冷静さと技術力に直結しているといえるでしょう。
パリ五輪失格からの復活劇!世界記録樹立までの道
山西利和、特大の世界記録🌏🔥
— ワールドアスレティックス・世界陸連 (@WAthleticsJapan) February 16, 2025
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アスリート人生は順風満帆ではありません。
2024年のパリ五輪代表選考会で山西利和選手は失格となり、出場のチャンスを逃しました。
大舞台を目前にした挫折は、周囲からも大きな注目を浴びました。
しかし山西利和選手は沈み込むどころか、その夜にはすでに次の大会スケジュールをチェックしていたといいます。
まさに「負けても前を向ける強さ」が彼の真骨頂です。
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そして約1年後の2025年2月、第108回日本選手権20km競歩で1時間16分10秒という驚異的な世界記録をマーク。
日本代表に即内定し、再び脚光を浴びました。
記録を出した直後も「タイムは歩いている間に想像がついて、自分の中で先に消化されていました」と冷静に語る姿は、いかにも山西利和選手らしい知的な一面です。
この復活劇は、日本中のファンに勇気を与えただけでなく、「逆境を力に変えるアスリート」としての存在感を一層強めました。
パリでの悔しさがあったからこそ、世界記録という快挙にたどり着けたと言えるでしょう。
今、山西利和という名前は「挫折から立ち上がる強さ」の象徴になっています。
世界記録保持者の強さ!東京2025世界陸上への挑戦
2025年9月に東京で開催される世界陸上競技選手権大会。
山西利和選手は20km競歩で3度目の世界王者を狙います。
自国開催に向けて「東京で歩けるということは、すごく嬉しいしありがたい」と語り、ファンの前で最高のパフォーマンスを見せる覚悟を示しています。
山西利和選手の強さの秘密は、徹底した技術研究と体幹トレーニング。
競歩は「腰を軸に体を回転させて推進力を得る」競技であり、山西利和選手は体幹と体重移動を重視した独自のトレーニングを行っています。
aispo!web : “世界のトップウォーカー”山西利和選手が語る競歩の魅力
冷静なレース運びと無駄のない動きは、まさに理論派アスリートならでは。
さらに、世界記録保持者としてのプレッシャーもある中で、「勝ちたい」よりも「納得できる歩きをしたい」という姿勢を大切にしています。
結果よりもプロセスを重視する姿勢が、最終的に大きな成果へとつながっているのです。
東京世界陸上では、強豪ひしめく国際舞台での再戦が待ち受けています。
すでに金メダル最有力候補とされている山西利和選手ですが、その歩みはただの記録争いにとどまりません。
**挫折から立ち上がった精神力と、磨き抜かれた技術が融合した「集大成のレース」**になるでしょう。
まとめ
山西利和選手は、京都大学出身という異色の経歴を持ちながら、世界陸上2連覇、東京五輪銅メダル、そして20km競歩世界記録保持者へと駆け上がってきました。
パリ五輪出場を逃す挫折からわずか1年での世界記録樹立は、多くの人々に感動を与える復活劇でした。
自国開催となる東京2025世界陸上では、競歩界の歴史を塗り替える瞬間が期待されています。
頭脳派であり情熱的な山西利和選手の挑戦から、今後も目が離せません!






