世界のボクシング界で今もっとも注目されている日本人といえば、中谷潤人選手。
無敗のまま3階級を制覇し、WBC&IBF世界バンタム級の二冠王として活躍する姿から「ネクストモンスター」と呼ばれています。
井上尚弥選手に続く存在として国内外のファンから大きな期待を寄せられる一方、そこには家族の支えや幼少期からの努力がありました。
本記事では、経歴や強さの秘密、そして温かい家族エピソードまでを徹底解説していきます!
経歴とボクシング転向のきっかけ
中谷潤人選手は1998年1月2日、三重県東員町に生まれました。
小学生の頃は極真空手に打ち込むも、体格差に苦しみ公式戦では一度も勝てなかったといいます。
そんな彼の転機となったのが、小学6年生の時。
両親のお好み焼き店の常連客から「ボクシングなら体重別だから合ってるかも」と勧められ、競技を変える決意を固めました。
中学1年でKOZOジムに入門し、恩師・石井広三会長のもとで基礎を学びます。
しかし、中学3年の全国大会を前に石井会長が急逝。
この出来事が、のちの**「15歳での単身渡米」**という大きな決断につながります。
スポーツコミュニケーションズ : ボクシングは自分にとって唯一没頭できる宝もの ~中谷潤人インタビュー~
ロサンゼルスでは名トレーナー、ルディ・エルナンデス氏の指導を受け、「世界王者になるため来た」と堂々と宣言した逸話は有名です。
THE BOXERS : “愛の拳士”中谷潤人の物語
その後は2016年に全日本新人王を獲得、日本フライ級ユース王座も制覇。
2018年プロ初タイトルを手にすると、2020年にはWBO世界フライ級王座を奪取し、世界の舞台へ一気に飛躍しました。
さらにスーパーフライ級、バンタム級へと階級を上げながら**「無敗のまま世界3階級を制覇」**という偉業を達成。
まさに「ネクストモンスター」の名にふさわしいキャリアを積み上げています。
ネクストモンスターと呼ばれる理由
中谷潤人チャンピオン
— 拳闘屋 (@boxing_ya) July 29, 2025
日本で恩師との別れがあり、15歳で単身渡米、名伯楽ルディの門下生になる
日本では三重県より神奈川県に移住、プロボクサー人生をスタート
愛の拳士として戦い続け、ビッグバンと呼ばれる、現在PFP6位の世界チャンピオンに君臨する!!
pic.twitter.com/ppUbWNZoXb
では、なぜ中谷潤人選手が「ネクストモンスター」と呼ばれているのでしょうか。
その最大の理由は、圧倒的な強さと完成度の高いボクシングスタイルにあります。
身長172cm、リーチ170cmとバンタム級としては長身で、サウスポーから繰り出される左ストレートは必殺級。
ラスベガスでのモロニー戦では、最終12回に衝撃のKO勝利を収め、世界にその実力を示しました。
さらに、試合中の冷静さと落ち着きも特徴的です。
世界王座を初めて奪った瞬間でさえ、感情を爆発させることなく淡々と構える姿に「年齢以上の成熟さ」と専門誌から高く評価されました。
BBM Sports : 【ボクシング】冷静すぎる22歳。新チャンピオン中谷潤人の素顔に迫る
これはただのパンチャーではなく、試合全体を見通せるボクシングIQの高さを物語っています。
また、リングマガジンのPFP(パウンド・フォー・パウンド)ランキングでトップ10入りを果たしたことも大きいでしょう。
これは「体重差を超えて誰が最強か」を評価する指標で、ここに日本人として井上尚弥選手に続いて名を連ねるのは快挙です。
つまり「次の時代を担う存在」として世界的に認められているのです。
今後はバンタム級での4団体統一戦、さらには井上尚弥選手との頂上対決への期待も高まっています。
中谷潤人選手が「ネクストモンスター」と呼ばれるのは、無敗の実績・高い技術・冷静さ・そして次世代を象徴する存在感が揃っているからにほかなりません。
支えとなった家族愛と人間性
中谷潤人選手の強さを語る上で欠かせないのが、家族の支えと人間性です。
父の澄人さんは料理人として働いた後、相模原市でトンテキ店を経営。
母の府見子さんは食事や減量管理を担当し、弟の龍人さんはマッサージで兄をサポートするなど、まさに一家総出で潤人選手を支え続けてきました。
とくに印象的なのは、2020年に家業のトンテキ店を閉めたこと。
父は「潤人の大切な時期に店でコロナが出たら何を言われるか分からなかった」と語り、家族全員がボクシング一本に集中できる環境を選びました。
このような献身的なサポートがあってこそ、潤人選手は心置きなく世界の舞台で戦えたのです。
また本人の性格も「愛の拳士」の通り。
常に誠実で驕らず、世界王者になっても冷静に「まずは石井会長のお墓に報告に行きたい」と語る姿は、多くの人の心を打ちました。
勝利後のインタビューで相手を称える場面も多く、2023年ラスベガス戦では鼓膜を破ったモロニー選手から「いい未来を築いてくれ」と言葉を贈られるほど。
Number Web : 「自分の血を見て興奮しちゃったんですかね(笑)」中谷潤人25歳が明かす“ラスベガス衝撃のKO” モロニーを沈めた一撃は「想定通りだった?」
中谷潤人選手が「ネクストモンスター」と呼ばれる理由は強さだけではありません。
まとめ
中谷潤人選手は、無敗の世界3階級制覇王者でありながら、家族愛に満ちた「愛の拳士」としても注目を集めています。
圧倒的な左ストレートや冷静な戦いぶり、そして誠実な人柄から「ネクストモンスター」と呼ばれるのは必然でしょう。
今後はバンタム級4団体統一、さらには井上尚弥選手との世紀の一戦も期待されています。
強さと優しさを兼ね備えた新時代のスター、それが中谷潤人選手なのです。
