男子110mハードル界に新たな歴史を刻んだのが、**村竹ラシッド選手(23歳)です。
2025年8月、ついに日本人初の12秒台(12秒92)**を突破し、世界の舞台で勝負できる存在となりました。
パリ五輪で日本人初の決勝進出を果たし、東京2025世界陸上ではいよいよメダルを狙う立場に。
千葉・松戸から羽ばたいた“ハードル界の新星”のこれまでと、注目のエピソードをまとめてご紹介します。
12秒92の衝撃!日本新記録樹立と世界陸上代表内定
2025年8月16日、福井県営陸上競技場で行われた「Athlete Night Games in FUKUI 2025」で、村竹ラシッド選手が日本陸上界の常識を覆す歴史的な記録を樹立しました。
男子110mハードルで**12秒92(追い風0.6m/s)**をマークし、日本人として初めて12秒台の壁を突破。
従来の日本記録13秒04を0秒12も更新する圧巻の走りは、会場の観客だけでなく世界中の陸上ファンに衝撃を与えました。
12秒台はこれまで“世界トップ中のトップ”だけが届く領域とされており、今季世界ランキングでも堂々の2位にランクイン。
これにより村竹ラシッド選手は、世界陸上でメダルを狙えるリアルな存在へと一気に躍り出ました。
NHK WEB : 陸上 男子110mハードル 村竹ラシッドが12秒92で日本新記録
この快挙を受け、東京2025世界陸上の代表にも内定。
本人は「目標は日本男子短距離個人種目で初のメダル」とコメントしています。
NHKのインタビューでは「高校時代は13秒台を出すのがやっと。12秒台なんて想像できなかった」と振り返りつつも、自分の進化に大きな手応えを語りました。
12秒92という数字は単なる記録ではなく、世界の壁を本気で突破できる証明。
日本の陸上界における新しい歴史の幕開けを告げる一走となったのです。
幼少期から大学時代までの挑戦と挫折
夢の12秒台、衝撃の日本新💥🤯
— アディダス ジャパン (@adidasJP) August 16, 2025
男子110mハードル、村竹ラシッドが今季世界2位となる12秒92で日本新記録を樹立。
世界の頂点に向けて、目の前の壁を越え続けていく。
⌚️ 12.92@rashi2ra__ #YouGotThis pic.twitter.com/nLvcZZ1S0w
村竹ラシッド選手が陸上競技を始めたのは小学5年生、千葉県松戸市の相模台小学校に通っていた頃でした。
走ることへの純粋な楽しさから始まり、中学進学後は松戸市立第一中学校で本格的にハードルに取り組むようになります。
そこで出会ったのが、恩師の高嶋美佳先生。
彼女の「愛される選手になりなさい」という言葉は、今も村竹ラシッド選手の競技観や人間性の軸となっています。
Number Web : 日本人初の快挙「12秒台」を自信に世界最高峰に挑む村竹ラシッド。「愛される選手になりなさい」。恩師の言葉が支える日本ハードル界の希望
中学2年で県大会を優勝し、早くも頭角を現しましたが、順風満帆というわけではありませんでした。
松戸国際高校時代、2年のときに腰椎分離症で4カ月の離脱を経験。
選手生命の危機とも言える状況でしたが、リハビリを経て見事に復活。
3年時にはインターハイを制し、全国の舞台でその才能を証明しました。
さらに順天堂大学進学後は、2021年の東京五輪選考会で痛恨のフライング失格という大きな挫折を味わいます。
しかし、この悔しさが糧となり、翌2022年にはオレゴン世界陸上に初出場。
結果は予選敗退でしたが、国際大会の経験が自信となりました。
そして2023年にはついに13秒04の日本タイ記録を叩き出し、名実ともに日本のトップ選手に成長。
大学卒業後はJALに所属し、社会人アスリートとして挑戦を続けています。
2024年のパリ五輪では日本人初の決勝進出を果たし、堂々の5位入賞。
数々の試練を乗り越えてたどり着いた舞台こそ、現在の村竹ラシッド選手を形作っているのです。
村竹ラシッドを形作るエピソードと魅力
村竹ラシッド選手が多くのファンに愛される理由は、圧倒的な記録だけではありません。
まず欠かせないのが、恩師・高嶋美佳先生から受けた「愛される選手であれ」という言葉。
勝ち負け以上に人間性を重んじる姿勢は、メディアのインタビューでも度々語られており、彼のキャリアを貫く信念となっています。
また中学時代には、千葉・稲毛海岸での砂浜練習が恒例行事でした。
富士山に向かって「絶対全国に行くぞ!」と叫ぶなど、仲間と声を出し合いながら精神力を鍛えた経験は、今の粘り強さの礎になっています。
さらに2024年パリ五輪では、決勝進出時に見せた**“ジョジョ立ち”ポーズ**が大反響を呼びました。
実はこれは同僚の鵜澤飛羽選手のアイデアを前日に採用したもの。
本人も「想像以上に反響があった」と驚きを語っています。
TOKYO FORWARD 2025 : 陸上競技・村竹ラシッド|歴史を塗り替えた「ハードルの求道者」
こうした遊び心やユーモアも、彼の大きな魅力です。
性格面では「凝り性」と自認しており、フォームの研究から講演資料作りまで妥協を許さないこだわり派。
小柄な179cmという体格で世界と戦うため、ハードルを越える際には「空中ではサボる」と表現するほど無駄を削ぎ落とした技術を磨き続けています。
数字で見える強さと、人間味あふれるエピソードの両面を持つ村竹ラシッド選手。
だからこそ、多くの人が彼を応援したくなるのです。
まとめ
村竹ラシッド選手は、12秒92の日本新記録を打ち立て、東京2025世界陸上でメダルを狙う注目のアスリートです。
挫折と挑戦を乗り越え、恩師や仲間からの教えを胸に成長してきた姿は、多くの人の共感を呼びます。
パリ五輪の“ジョジョ立ち”や凝り性エピソードなど人間味あふれる魅力もあり、競技と人柄の両面でファンを増やし続けています。
世界の舞台で新たな歴史を刻む瞬間を、ぜひ一緒に見届けましょう。