3時のヒロインのリーダー・福田麻貴さんといえば、キレのあるツッコミと独特の世界観でお笑いファンを魅了してきました。
そんな彼女が2025年放送のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」に出演し、女将・ウメ役を熱演。
お笑いの舞台とは一味違う、落ち着いた演技が話題になっています。
今回は、福田麻貴さんの役作りの裏側から、これまでの演技経験、そして“芸人だけじゃない”彼女の芝居力までをたっぷりお届けします。
“べらぼう”で挑んだ“女将ウメ”の役作り
福田麻貴さんが「べらぼう」で演じているのは、日本橋で店を営む女将・ウメ。
伊藤かずえさん演じるマツ、ベッキーさん演じるタケとともに、蔦屋重三郎(横浜流星)を陰ながら応援する“蔦重推し”の女将三人組の一人です。
セリフは決して多くはありませんが、その立ち姿や一挙手一投足から、人物の背景や性格を感じさせることが求められます。
撮影前、福田麻貴さんは着物での所作や、江戸時代の商人町での女性の立ち振る舞いを事前にリサーチ。
歩幅やお辞儀の深さ、手の置き方まで細かく意識し、現場ではその“時代の空気”に自然と溶け込むことを心掛けたそうです。
普段の舞台コントでは、テンポの良い動きや瞬発的な表情変化で笑いを生みますが、この役ではあえて動きをゆったりさせ、表情も控えめに抑えることで、時代劇ならではの落ち着きや品格を表現。
共演者との掛け合いでは、相手のセリフや仕草に合わせて自然に反応し、“芝居の呼吸”を合わせることに重点を置きました。
カメラが回っていない瞬間も役を崩さず、背景に映っている場面でも違和感なく存在できるよう意識していたといいます。
その結果、ウメという人物が物語世界に生きる一人として視聴者に受け止められたのです。
お笑いから演技へ──自然体芝居の背景
大河ドラマ『べらぼう』
— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) June 16, 2025
新たな出演者4人の”扮装”解禁❗️
👤伊藤かずえ、ベッキー、福田麻貴
蔦重推しの女将三人組マツ・タケ・ウメ役
👤マキタスポーツ
和尚・覚圓役
🔻次回あらすじhttps://t.co/S1Mo2T2u0R#大河べらぼう pic.twitter.com/eod16aTizk
福田麻貴さんの演技力の背景には、芸人としての経験と長年の憧れがあります。
関西大学在学中のインタビューでは「お笑いも歌も演技も全部“芸”」と語り、デビュー前から演技の世界に興味を抱いていました。
Kandai HEADLINES : 大好きな「芸」に挑戦しつづける~お笑い芸人 福田麻貴さん~
2010年にお笑い系アイドルグループ「つぼみ」で活動を始め、その後2017年に3時のヒロインを結成。
2019年「THE W」優勝で一気に全国区となる一方で、演技への情熱も捨てずにいました。
転機となったのは2020年、TBS日曜劇場「危険なビーナス」への出演。
初めてのレギュラードラマで、しかも大人気枠の日曜劇場という大舞台。
TBS : 日曜劇場「危険なビーナス」インタビュー
撮影現場では、一つのシーンに数時間かける緻密さや、何度もテイクを重ねる忍耐力を体感しました。
その経験から、セリフをただ言うのではなく“その人物として存在する”ことの大切さを学んだそうです。
こうして培った自然体の芝居は、セリフの間や目線の動き、ため息の一つにまで反映されます。
「べらぼう」でも、セリフがない場面での表情や佇まいが印象的だったと視聴者から反響が寄せられました。
お笑いの現場で磨かれた観察眼と瞬時の判断力は、ドラマの中でも生き、リアリティーを増す要素となっているのです。
“お笑い以外も本気”な芝居力と今後
福田麻貴さんは2024年、フジテレビ系ドラマ「婚活1000本ノック」で初主演を務め、長台詞やモノローグを交えた複雑な演技を見事にこなしました。
テレビ誌編集者からは「真面目な役も犯人役もコミカルな役もこなせる“自然体”の女優」と評され、その汎用性の高さが注目されています。
「べらぼう」では、大河ドラマならではの重厚な現場で、ベテラン俳優陣と肩を並べながら自分の役の立ち位置をしっかり確立。
伊藤かずえさんやベッキーさんとの三人組のやりとりは、画面に映る時間こそ短くても、物語の温度感を底上げする存在となりました。
本人も「芝居は何でも挑戦したい」と語り、シリアスからコメディまで幅広いジャンルに挑戦する意欲を見せています。
また、自身がかつて所属した「つぼみ」への脚本提供も継続し、物語づくりの側面でも力を発揮中。
東洋経済ONLINE : 第7世代「3時のヒロイン」がここまで売れた必然
今後は映像だけでなく舞台や映画など、より多様なフィールドで演技の幅を広げていく可能性があります。
お笑いのステージでは観客を笑わせ、ドラマの現場では視聴者の心を揺さぶる──
福田麻貴さんは、ジャンルを超えて輝く“表現者”として、今後ますます目が離せない存在になっていくでしょう。
まとめ
「べらぼう」でのウメ役は、福田麻貴さんが大河ドラマという舞台で確かな存在感を示すきっかけになりました。
お笑いで培った瞬発力や観察力を演技に昇華し、時代劇に必要な落ち着きや品格も見事に表現。
お笑い芸人という枠を越え、役者としても着実に成長を続けています。
今後、どんな役柄に挑んでも“本気”で臨む福田麻貴さんから、さらなる感動と驚きをもらえるはずです。
