84歳にしてなお現役の女優として輝き続ける倍賞千恵子さんが、木村拓哉さんと21年ぶりに実写共演する映画『TOKYOタクシー』(2025年11月21日公開)。
監督は、日本映画界の巨匠・山田洋次さん。
松竹創業130周年記念作品としても注目されています。
人生の終盤を生きる女性と、迷いを抱えるタクシー運転手の心の交流を描いた本作は、ただのロードムービーではありません。
「人生の寄り道も、無駄じゃない」――倍賞千恵子さんが体現するその言葉に、観客の心はきっと温かく包まれるでしょう。
🕊️84歳・倍賞千恵子が挑む“嫌なおばあさん”役。その裏にある人生の深み
倍賞千恵子さんが演じるのは、東京・柴又から葉山までの道のりをタクシーで旅する高野すみれ(85歳)。
最初は毒舌で、運転手・浩二(木村拓哉)に辛辣な言葉を投げかける「少し変わったおばあさん」。
しかし、その裏には人生を重ねた人間だけが持つ哀しみと優しさが隠れています。
倍賞千恵子さんは会見で「最初は嫌なおばあさん。でも、だんだん心が通っていく」と語りました。
まさに彼女自身がこれまでのキャリアで培ってきた**“人の痛みを知る演技”**が光る役柄です。
『男はつらいよ』で庶民の象徴“さくら”を演じ、『幸福の黄色いハンカチ』では健気な妻を演じてきた倍賞千恵子さん。
今回のすみれは、そうした役柄とは違い、人生の最終章を語る存在として描かれます。
彼女が放つ一言一言に、「長く生きるとは何か」という重みが宿り、観客の心に深く響くはずです。
“老いを演じる”のではなく、“生きることを見せる”女優・倍賞千恵子さん。
その凛とした姿勢が、『TOKYOタクシー』の真の主役といえるでしょう。
🚕木村拓哉との21年ぶり共演。「ハウルの動く城」以来の“再会”が生む化学反応
木村拓哉、颯爽とした運転で一発OK!倍賞千恵子と山田洋次監督の熱いハグも『TOKYOタクシー』メイキング写真&現場レポート – https://t.co/IRp5Vgcn5t #倍賞千恵子 #木村拓哉 #tokyoタクシー pic.twitter.com/JIfM4YGQOr
— ムビッチ (@moviche_com) October 16, 2025
倍賞千恵子さんと木村拓哉さんが実際に共演するのは、2004年の『ハウルの動く城』以来、実に21年ぶり。
当時はアニメの中で、倍賞千恵子さんはソフィー、木村拓哉さんはハウルという関係でした。
声だけの共演から、今回は実写での“再会”。
時を経た二人の芝居は、まさに“人生の熟成”を感じさせます。
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木村拓哉さん演じるタクシー運転手・浩二は、人生に疲れ、夢も希望も見失っている男。
倍賞千恵子さん演じるすみれは、そんな彼に「寄り道をして」と頼みながら、少しずつ心を通わせていく。
物語の中で二人が交わす言葉のやりとりには、**長年俳優として生きてきた二人だからこそ出せる“間”と“呼吸”**があります。
倍賞千恵子さんは「木村くんはとても優しい方。撮影の合間も静かに寄り添ってくれた」と語り、木村拓哉さんも「倍賞さんとご一緒できることが、僕にとってのご褒美でした」とコメント。
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世代を超えた二人が描くタクシーの中の物語は、単なる感動ではなく、“人生の再出発”を静かに描く奇跡の時間です。
🎬山田洋次監督91本目の挑戦。倍賞千恵子との“絆”が生み出す温かい映画世界
『男はつらいよ』シリーズをはじめ、倍賞千恵子さんと山田洋次監督の関係は60年以上。
監督にとって『TOKYOタクシー』は通算91本目、そして松竹130周年という節目の作品でもあります。
山田監督は「倍賞さんともう一度、人間の“やさしさ”を描きたかった」と語っています。
倍賞千恵子さんも「山田組は私の原点」と話し、撮影現場はまるで家族のような空気に包まれていたそうです。
この作品は、フランス映画『パリタクシー』を原案としつつ、“日本人の情緒”を大切にした再構築が行われています。
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柴又、浅草、葉山といったロケ地の風景には、どこか懐かしさが漂い、観る者の心を温めてくれます。
また、音楽を担当するのは倍賞千恵子さんの夫・小六禮次郎さん。
山田監督×倍賞千恵子×小六禮次郎という“黄金トリオ”が再び集結した点も見逃せません。
ラストシーンで流れる旋律には、**「人生は寄り道してこそ美しい」**というメッセージが込められています。
倍賞千恵子さんが84歳にしてなお第一線で輝き続ける理由は、まさにこの“人間味”と“誠実さ”にあるのでしょう。
💠まとめ
映画『TOKYOタクシー』は、倍賞千恵子×木村拓哉×山田洋次監督という奇跡のタッグが贈る、“人生の優しさ”を描いた感動作です。
84歳の倍賞千恵子さんが演じるのは、ただの老女ではなく、「生きる意味を探す旅人」。
そして木村拓哉さんは、彼女に導かれながら再び人生の温もりを取り戻す男。
この作品には、山田洋次作品に通底する**「人を信じる力」**が息づいています。
「寄り道の中に、人生の宝がある」――倍賞千恵子さんがその生き様で教えてくれるように、観る者の心に深い余韻を残す一本となるでしょう。
映画『TOKYOタクシー』共演




