Ado――その名前を聞けば、あの衝撃的なデビュー曲「うっせぇわ」を思い出す人も多いはず。
顔出しをしない謎のシンガーとして登場してから、わずか数年で日本だけでなく世界中を熱狂させる存在に。
映画『ONE PIECE FILM RED』での「新時代」の世界的ヒット、国立競技場ライブやワールドツアーの開催など、その歩みはまさに“歌姫の新時代”。
今回は、Adoさんの経歴や代表曲、そして彼女が愛される理由をたっぷりご紹介します。
衝撃のデビュー!「うっせぇわ」が変えた日本の音楽シーン
2020年10月、Adoさんは配信シングル「うっせぇわ」でメジャーデビュー。
この曲は、発表直後からTikTokやYouTubeを中心に爆発的に拡散され、ストリーミング総再生数は数億回を突破。
怒りを込めた歌詞や感情の振り切れたボーカルは、Z世代の「言いたいけど言えない本音」を代弁する存在となり、一躍社会現象に。
音楽番組やニュースでも取り上げられ、学校や街中でも曲の一節を口ずさむ人が急増しました。
Adoさんの歌声は、怒り・切なさ・高揚感など感情の温度差を自在に操る独自の表現力が魅力。
しかも、驚くことにそのスキルは完全独学で身につけたもの。
ボイストレーニングは長続きせず、自分の感覚を頼りに試行錯誤を繰り返し、「がなり声」や「ささやき声」などのテクニックを独自に開発しました。
VOGUE JAPAN : Ado ──「ボーカロイド、歌い手の文化を広められたきっかけの一つであったら」【THE ONES TO WATCH vol.11】
また、Adoさんはデビュー前から「顔出しをしない歌い手」として活動。
14歳で初投稿した時、「顔も本名も出さずに歌を届けるなら自分にもできるかもしれない」と感じたことが原点です。
そのため、ライブやテレビ出演でも徹底して顔を見せず、音楽だけで勝負する潔さが強い支持を集めました。
「うっせぇわ」の成功後も、Adoさんは「踊」「ギラギラ」「阿修羅ちゃん」など話題曲を連発。
音楽ジャンルやテーマを自在に変えながらも、聴いた瞬間にAdoさんだとわかる個性は不変。
短期間で日本の音楽シーンの空気を塗り替えた、まさに“令和の革命児”と言えるでしょう。
「新時代」で世界へ!ウタ役が切り開いたグローバルヒット
Ado
— 空 (@imokio) August 7, 2025
WORLD
DOMINATION pic.twitter.com/W9UOfCy45T
2022年、Adoさんは映画『ONE PIECE FILM RED』のキャラクター・ウタの歌唱を担当。
主題歌「新時代」は、Apple Musicグローバルチャートで世界1位を獲得し、日本のみならず海外でも一大ムーブメントを巻き起こしました。
YouTubeの公式ミュージックビデオは、公開からわずか数か月で1億回再生を突破。
海外ファンからは「言葉がわからなくても感情が伝わる」と絶賛されました。
「新時代」では、Adoさんの歌声が爽やかさと力強さを行き来しながら物語を推進。
この幅広い表現力が作品の感動を倍増させました。
また、椎名林檎が作詞作曲した劇中歌「行方知れず」では、「理想的などら猫声」と評価され、ボカロ的な無機質さと生身の感情を同時に表現する難題を見事にクリア。
Adoさんのルーツであるボカロ文化を理解してもらえた喜びを本人も語っています。
TOKION : 連載「時の音」Vol.18 歌い手・Adoが歌い続けて変えていく時代
この映画での活動は、Adoさんの国際的な知名度を一気に押し上げました。
SNSでは英語・フランス語・中国語など多言語でのコメントが殺到し、ライブ配信では海外からの視聴者も急増。
「日本発のグローバルポップアイコン」という新しい肩書きが定着しました。
さらに、「新時代」のヒットはAdoさんにとって音楽活動の幅を大きく広げる契機に。
アニメ・映画・ポップスというジャンルの垣根を越え、世界の舞台でも戦える日本人アーティストとして、次の挑戦へと歩みを進めることになります。
国立競技場ライブ&世界ツアー!止まらない挑戦
2024年、Adoさんは女性ソロアーティスト初の国立競技場単独ライブ「心臓」を開催。
東京の空に響き渡る彼女の声は、まるで観客一人ひとりの胸に直接届くかのようでした。
観客動員数は約6万人。しかも顔を出さない演出ながら、映像・照明・音響が三位一体となった圧巻のライブ体験を実現しました。
この年、Adoさんは初の 世界ツアー「Wish」もスタート。
アジア、ヨーロッパ、北米を巡り、現地ファンと直接交流。
驚くべきことに、ライブで披露される曲はほぼ日本語のまま。
それでも観客は一緒に歌い、時に涙を流す姿も見られました。
「音楽は国境を超える」という言葉を体現する瞬間です。
さらに、22歳の誕生日となる10月24日には、初のCDシングル『桜日和とタイムマシン with 初音ミク/初夏』をリリース。
特に「初夏」は、17歳の時に作った曲を大切に温め続けた作品で、「正解の曲が作れなくても私を見てほしい」という素直な思いが込められています。
この原点回帰とも言えるリリースは、ファンにとっても特別な意味を持ちました。
Adoさんはライブ・リリースのたびに新しい挑戦を行い、「常に進化し続けるアーティスト」としての姿勢を貫いています。
国立競技場の大舞台から世界各地のステージまで――その足跡は、もはや一国のスターではなく、世界の音楽地図に名を刻む存在へと成長した証と言えるでしょう。
まとめ
Adoさんは「うっせぇわ」で日本を震撼させ、「新時代」で世界を魅了し、国立競技場と世界ツアーで新たな伝説を築きました。
顔を出さずに音楽だけで人々を惹きつける姿勢は、世代や国境を超えて支持されています。
これからもAdoさんは、時代を切り拓く歌姫として、予測不能でワクワクする音楽の旅を続けていくことでしょう。