端正な顔立ちと爽やかな雰囲気。
その一方で、どこか影を感じさせる演技――。
俳優・稲葉友さんは、**「仮面ライダーマッハ」**で広く知られた存在でありながら、近年その評価を大きく変えつつある俳優の一人です。
2026年公開の映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』では、原作屈指の“ヤバい男”宇佐美時重を怪演し、「イメージが一気に覆される」と話題になっています。
では、稲葉友さんとは一体どんな俳優なのか。
ジュノンボーイとして華々しくデビューした青年は、なぜ今“怪演俳優”と呼ばれるまでに進化したのか。
本記事では、その歩みと変化を丁寧にひも解いていきます。
👕ジュノンボーイ稲葉友が背負った「期待」と「違和感」
稲葉友さんのキャリアは、第22回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト グランプリという、まさに王道中の王道から始まりました。
焼肉店でアルバイトをしていた16歳の少年が、周囲の勧めで応募し、過去最多の応募者の中から頂点に立つ。
物語としてはこれ以上ないスタートです。
その後の俳優人生も順風満帆に見えました。
特に「仮面ライダードライブ」で演じた詩島剛/仮面ライダーマッハ役は、身体能力の高さと感情の起伏を活かした演技で多くのファンを獲得します。
ただし、その成功は同時に**「爽やか」「正統派」「ヒーロー」**という強いイメージを背負うことにもなりました。
むーたん稲葉友さん自身は、インタビューで「寡黙で仕事ができる人がかっこいいと思うけれど、自分には向いていない」と語っています。



これは裏を返せば、与えられた理想像と自分の本質とのズレを、早い段階から感じていたということでもあります。
だからこそ彼は、主演に固執せず、役の大小よりも**「現場でどう機能するか」**を大切にしてきました。
周囲に合わせ、作品全体の流れに溶け込む。
その姿勢は地味に見えますが、実は俳優として非常に堅実な選択です。
派手な近道を選ばず、遠回りを受け入れたことが、後の“怪演”へとつながる土台になっていったように感じられます。
🎥爽やかさを封印した『ゴールデンカムイ』宇佐美時重という転機
映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』で稲葉友さんが演じた宇佐美時重は、原作ファンの間でも**「屈指の異常者」**として知られる存在です。
鶴見中尉への歪んだ忠誠心、耽美な美しさと突然スイッチが入る暴力性。
そのどれもが、これまでの稲葉友さんのイメージとは真逆でした。
制作陣は、彼の端正な顔立ちを“爽やか”ではなく“妖しさ”として使う選択をしました。



これは簡単なことではありません。



中途半端にやれば、ただのイメージ崩しで終わってしまうからです。
しかし稲葉友さんは、身体能力と繊細な表情演技を武器に、宇佐美という人物を「理解不能だけど目が離せない存在」として成立させました。
本人コメントからも分かるように、彼はこの役に対して強いプレッシャーを感じていました。
それでも、前作から世界観を作り上げてきたキャストやスタッフに身を委ね、**「宇佐美になる」**ことに集中したと言います。
この姿勢こそ、長年積み重ねてきた現場主義の集大成でした。
結果として、早くもファンからは**「再現度が高い」「怖いのに美しい」**と高評価を獲得。
ここで初めて、稲葉友さんは“爽やか俳優”ではなく、役で空気を変えられる俳優として認識されるようになったのです。
💒30代・結婚・父性が育てた「怪演できる余白」
稲葉友さんの変化は、役柄だけの話ではありません。
2023年8月4日: モデルでタレントの藤田ニコルさんと結婚を発表。
30代に入り、父になる未来を意識するようになったことで、彼自身の価値観にも確かな変化が生まれています。
「向こう10年でどう生きるかを考えるようになった」「健康診断に行くようになった」という発言は、一見すると地味ですが、俳優にとっては非常に重要です。
生活が整うと、役に使える“余白”が生まれるからです。
また、「みんなでばあちゃんを囲んで、一緒にご飯を食べたい」と語るエピソードからも分かるように、彼は派手さよりも、地に足のついた生き方を選んでいます。
その姿勢は、共演者や若い俳優への接し方にも表れています。



10代の共演者にも積極的に声をかけ、現場全体の空気を和らげる。



その積み重ねが、信頼を生み、難しい役を任される理由になっているのでしょう。
怪演とは、狂気を演じることではなく、狂気を受け止められる土台があること。
今の稲葉友さんには、その土台があります。
だからこそ宇佐美時重のような役が、決して浮かず、むしろ説得力を持って立ち上がったのだと思われます。
📌まとめ
稲葉友さんは、ジュノンボーイという華やかな肩書きに甘えず、長い時間をかけて俳優としての軸を育ててきました。
爽やかさを武器にしながら、それに縛られなかったこと。
現場での信頼を積み重ね、人生の変化を演技に還元してきたこと。
そのすべてが、『ゴールデンカムイ』宇佐美時重という“怪演”につながっています。
これから彼は、さらに振り幅のある役を見せてくれるはずです。
静かに、でも確実に進化を続ける稲葉友さんという俳優を、これからも少し近くで見守っていきたくなりますね。
【※本記事は公式発表・公式情報を参考にしつつ、作品内容を基にした考察を中心に構成しています。】









