女子やり投げの絶対的エース・北口榛花(きたぐち はるか)選手。
2023年ブダペスト世界陸上で日本女子フィールド種目初の金メダル、さらに2024年パリ五輪でも金メダルを獲得し、日本陸上界の歴史を塗り替え続けています。
そして2025年9月、ついに東京で開催される世界陸上2025に挑みます。
舞台は国立競技場。前回王者としてのワイルドカードでの出場が決定しており、2連覇&70メートル超えの大記録に期待が高まっています。
今回は北口榛花選手のプロフィールから、経歴、そして感動的なエピソードまでまとめてご紹介します!
北口榛花のプロフィールと世界陸上2025東京での挑戦
北口榛花選手は1998年3月16日生まれ、北海道旭川市出身の27歳。
身長179cmという恵まれた体格を活かし、やり投げで世界のトップに立つ日本のエースです。
所属はJAL(日本航空)で、自己ベストは2023年のダイヤモンドリーグ・ブリュッセル大会で記録した67.38m(日本記録)。
これは世界でもトップクラスの記録であり、常に70メートルの大台を目指して努力を続けています。
2025年9月に東京・国立競技場で開催される世界陸上2025は、北口榛花選手にとって大きな挑戦の舞台です。
女子やり投げは9月19日(金)に予選、そして9月20日(土)21時5分から決勝が行われる予定。
土曜ゴールデンタイムの決勝は、多くのファンがテレビや会場で見守る注目の一戦になります。
さらに北口榛花選手は、2023年ブダペスト世界陸上で優勝したことでワイルドカード出場権を獲得済み。
つまり、日本代表選考会での成績に関係なく自動的に出場できる特別な資格を持っています。
この点でも精神的な余裕を持ちながら大会に臨めるのが強みです。
彼女の目標は二つ。
ひとつは世界陸上での2連覇、そしてもうひとつは70メートル超えのビッグスロー。
2025年7月には「やりがまっすぐとびますように」と短冊に願いを込め、シンプルながらも競技者としての本質的な思いを示しました。
今や日本陸上界を背負う存在となった北口榛花が、東京で再び世界を驚かせる瞬間に期待が高まります。
水泳・バドミントンからやり投げへ!多彩な経歴と成長の歩み
“奇跡のハート”写真も話題に🇯🇵❤️
— オリンピック (@gorin) August 10, 2025
1年前の今日、#パリ2024 陸上 女子やり投で北口榛花選手が金メダルを獲得🥇
トラック&フィールド種目で日本女子初となる #オリンピック 金メダルの快挙✨@jaaf_official @giant_babyparu pic.twitter.com/LYxbkvDRmx
北口榛花選手の競技人生は非常にユニークです。
**3歳から始めた水泳、さらに小学1年からのバドミントンと、複数競技を同時に取り組んでいた“マルチアスリート”**でした。
小学6年生のときにはバドミントン全国大会で団体優勝、中学では水泳で全国大会に出場。
まさに万能型の才能を発揮し、どの競技でも全国レベルに到達していたのです。
大きな転機は2013年、高校入学の時。
旭川東高校で陸上部の顧問・松橋昌巳先生に声をかけられ、やり投げを始めました。
すると初めての年から頭角を現し、翌2014年にインターハイで初優勝。
2015年には世界ユース選手権で金メダルを獲得、日本ジュニア選手権では58m90の高校記録を樹立し、ダイヤモンドアスリート制度の第1期選手に認定されました。
しかし大学進学後は、肘の痛みなどもあり2017~2018年に成績低迷を経験。
苦しい時期を経て、2019年に運命的な出会いが訪れます。
フィンランドでの世界やり投げカンファレンスで、チェコのコーチダヴィッド・セケラック氏と出会い、自ら「指導してほしい」と直談判。
単身でチェコに渡り、技術を磨きました。
翌年には64m36で日本新記録を更新、さらに66m00へと記録を伸ばし、一気に世界トップクラスの仲間入りを果たしました。
このように水泳で培った体幹・肺活量、バドミントンで鍛えた瞬発力と柔軟な手首の動きが、現在のやり投げのダイナミックなフォームに直結しています。
まさに「多競技経験が世界女王をつくった」といえる経歴なのです。
感動エピソードと北口榛花の魅力
北口榛花選手が人々を惹きつけるのは、ただの記録やメダルだけではありません。
行動力、自主性、そして仲間への思いやりにあふれた人柄も、大きな魅力のひとつです。
特に印象的なのが、チェコ人コーチ・セケラック氏との出会い。
2018年、まだ成績が伸び悩んでいた頃に参加したカンファレンスで彼に出会い、「ぜひ一緒にやらせてほしい」と自ら交渉。
Getsuriku : やり投・北口榛花インタビュー後編 自分で行動することの大切さ
2019年2月から本格的に指導を受けることになりました。
普通ならためらうような大きな決断を、20歳で自ら選び取った姿勢は、アスリートとしての覚悟を示しています。
また、彼女は大学時代の苦しい経験から「環境や他人のせいにせず、自分で動くことが大切」と学びました。
その哲学は現在の安定したメンタルや試合での落ち着きに直結しています。
試合前でも笑顔を絶やさず、周囲に安心感を与える姿は、観客やチームメイトに勇気を与える存在です。
さらに、チェコでの練習環境でも「自分だけ特別扱いされるのは嫌」と語り、現地の仲間と同じ条件で努力することを選びました。
**「結果を出すことが最大の恩返し」**という謙虚な姿勢は、多くのアスリートのお手本といえます。
現在はやり投げだけでなく、水泳やバドミントンを含む8種類のトレーニングを取り入れており、発声練習まで行うという多彩な鍛錬を続けています。
サンスポ : 【新春インタビュー】やり投げ北口榛花、東京開催「世界陸上」で「皆さんの前でいいメダルを」 パリ五輪金メダルは「よくやれたなっていう感じ」
常に新しい挑戦を取り入れる柔軟さが、彼女を“やり投げ女王”の座へ押し上げているのです。
北口榛花は、記録だけでなく人間性でも日本陸上界をリードする存在といえるでしょう。
まとめ
北口榛花選手は、やり投げで数々の歴史を塗り替えてきた日本陸上界の希望の星。
2025年東京世界陸上では、世界中の注目が国立競技場に集まります。
連覇、そして夢の70メートル超えに挑む姿は、間違いなく多くの人々に感動を与えるでしょう。
水泳やバドミントンから培った力、チェコでの挑戦、仲間を思う気持ち――
そのすべてが彼女の強さの源です。
9月20日の決勝、東京の夜空を切り裂く一投から目が離せません!